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二度と経験できない一ヶ月

もう3年になるでしょうか。
母の最期の一ヶ月。父と交代でずっと病院に張り付いていました。24時間体制です。
看護師さんがいるわけですから本来そこまですると病院側から迷惑がられるのではと心配もしたものですが、父が譲らなかったという感じでして…幸い病院の方々もおおめにみてくれて事なきを得ましたが。

すでに痛み止めを打つだけの状態でしたので、痛みがなければ基本は寝ているだけ。それでも痛み止めが強力なものですから、目が覚めると何やら幻覚めいたものを見ていたこともありました。

看護師さんと一緒に母の髪を洗ったこともありました。そんなことをしたのは、私が生まれてから後にも先にもこの時だけだったでしょう。
最初の頃は果物やヨーグルトなどを食べる手助けをしていたものの、だんだんと食事もとれなくなり、手伝えることといえば水をゆっくり飲ませてあげるぐらい。そして痛みが出始めたらナースコールを呼ぶ。部屋の空気を入れ替える。そのぐらいしかなくなってしまいました。

特別にしなければいけないことはそんなにないのでむしろ暇なぐらいです。でも、いつ何がどうなるかわからないという緊張感を持ち続けて病室に半日いるというのはかなりの疲労感をともないました。

そんなある日、母が「自分の誕生日までは頑張る」と突然言いだしたんです。あれは幻覚の中での声だったのか、たまたま意識がはっきりしていたのか…

結果……本当の眠りについたのは誕生日の翌日。そこに何か強い意志のようなものを感じました。
あの一ヶ月は親孝行できていたのか?全然足りていなかったのか?未だに答えは見つかりません。

しかし、二度と味わうことがないであろう経験をしたことだけは事実です。
毎年ツバメの季節になるとこのことを思い出すのだろうなと…

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最終更新日:2016-02-10 01:00

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